キャンプブームは終わったのか|2026年の現在地
どうも!ひげです!
ここ最近、「キャンプブームってもう終わったよね」という声をよく聞きます。たしかに、少し前はどこも予約が取れなくて、人気サイトは争奪戦でした。それがいまは、わりとすんなり泊まれる。あの熱狂はどこへ行ったんだろう——そう感じたこと、ありませんか。僕も現場でずっと同じことを考えていました。
結論から言うと、キャンプブームは「終わった」というより「落ち着いて、根を張った」が近いです。この記事では、キャンプブームがこれまでどう来てどう変わったのかを、実際の市場データと僕自身の現場感覚で読み解きます。じつはひげ、キャンプ好きであると同時に中小企業診断士でもありまして、こういう市場の話は放っておけないんですよね。

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キャンプブームは、これまで2回あった
まず前提として、日本のキャンプブームは一度きりではありません。大きな波が2回ありました。振り返ると、いまの景色がぐっと分かりやすくなります。
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注意:冬キャンプは地域や季節によって状況が大きく変わります。また、天候や積雪量によっては例外となる場合があるため、その都度判断が必要です。





キャンプブームとは:キャンプ人口や関連消費が短期間で急増する社会現象のことです。日本では1990年代と、2010年代後半からの2回が知られています。
第一次ブーム(1990年代)=みんなでワイワイ、モノを揃える
第一次は、大型のオートキャンプとファミリーキャンプが主役でした。RV車やミニバンの普及が後押しし、車に道具を積み込むこと自体が楽しみだった時代です。大きなテント、タープ、テーブル、チェア……装備をそろえるワクワクが中心で、情報源は雑誌やキャンプ場ガイドでした。ピークは1996年で、オートキャンプ人口は約1,580万人に達したとされます。ところが翌1997年には1,375万人へと一気に減り、熱は急速に冷めました。
第二次ブーム(2010年代後半〜2020年前後)=SNSと、自分らしさ
第二次は、空気がまるでちがいました。SNSやYouTube、アニメや漫画の影響で、ソロキャンプ・おしゃれキャンプ・グランピングと、スタイルが一気に多様化したんです。第一次が「モノ中心」だったのに対し、第二次は「SNSで共有される体験」や「自分らしい過ごし方」が中心でした。参加人口は2013年ごろから増加に転じ、2019年には約860万人まで回復しています(業界動向まとめ)。そして2020〜2021年、コロナ禍で「密を避けるレジャー」として再加熱し、2021年は前年比プラス23%の約750万人まで跳ねました(旅行新聞・オートキャンプ白書報道)。


思い返せば、僕が家族で鬼怒川温泉のオートキャンプ場に行ったのが2019年の秋。紅葉シーズンとはいえ、とにかく混んでいて「次はもう少し空いた時期に来よう」とメモした記憶があります。あれはまさに、第二次ブームのど真ん中でした。
数字で見る、キャンプブームの山とその後
ここで、参加人口の推移をまとめて眺めてみます。感覚で語るより、数字を並べたほうが「山」と「その後」がはっきりします。
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| 年 | オートキャンプ参加人口(協会推計) | できごと |
|---|---|---|
| 1996年 | 約1,580万人 | 第一次ブームのピーク |
| 2019年 | 約860万人 | 第二次ブームの成熟 |
| 2021年 | 約750万人 | コロナで再加熱(前年比+23%) |
| 2023年 | 約600万人 | 沈静化(前年比−7.7%) |
| 2024年 | 前年よりやや減少 | 日常化フェーズ |
2023年の参加人口は約600万人で、前年から7.7%減りました(旅行新聞・オートキャンプ白書2024報道)。2024年はさらにやや減少しています(日本オートキャンプ協会)。数字だけ見ると、たしかに「ブームは去った」ように見えます。
ところが、面白いのはここからです。人が減っているのに、キャンプ用品の市場は逆に伸びているんですよ。
診断士のひげが読む、なぜ人は減っても市場は伸びるのか
正直、この数字を最初に見たときは「ん?」と二度見しました。矢野経済研究所の調査によると、アウトドア用品などの市場規模は2024年度が約4,634億円、2025年度は約5,059億円まで伸びる見込みです(矢野経済研究所)。参加人口は減っているのに、お金は増えている。ここに、キャンプブームの変化の本質が隠れています。
プロダクトライフサイクルとは:商品や市場が「導入→成長→成熟→衰退」とたどる考え方です。ブームは成長期の急拡大、いまは成熟期にあたります。
にわか層が抜け、続ける人が濃くなった
診断士の目線でざっくり言うと、いま起きているのは「衰退」ではなく「質的な転換」です。ブームに乗って一度だけ来た人(にわか層)が抜けたぶん、頭数は減りました。一方で、続けている人はむしろ濃く楽しんでいます。実際、1回あたりの平均費用は23,258円、年間の平均回数は5.0回と、コロナ前より高い水準を保っています(オートキャンプ白書2025)。つまり、市場を支える人が「広く浅く」から「狭く深く」へ入れ替わったんです。
市場を牽引しているのがアウトドアアパレルだ、という点も象徴的です。キャンプ道具が「特別な日だけの装備」から、「普段も着る服」へと生活に染み出した。これは、趣味が一過性の流行を超えて、暮らしの一部になったサインだと僕は読んでいます。



この数字、なが が白書とにらめっこして集めたよ。人は減っても、続けてる人はむしろ濃く楽しんでる——それが伝わると嬉しいな。
いまのキャンプは「ソロ・ミニマル・日常の延長」へ
では、成熟したいまのキャンプはどんな形なのか。現場で感じるのは、静かで無理のないスタイルへの回帰です。
とくにソロキャンプが定着しました。一人で自然と向き合う時間が、デジタルデトックスや気持ちの切り替えとして評価されています。装備を小さくでき、予定も自分だけで決められるので、思い立った時に行きやすい。オートキャンプ白書によると、ソロキャンパーの平均年齢は48.0歳と、意外に落ち着いた層が中心です(日本オートキャンプ協会)。若者の流行というより、大人の趣味として根づいている印象です。
いま定着しているスタイルを、ざっくり挙げるとこんな感じです。
- ソロ・少人数の、静かなキャンプ
- 軽量・ミニマルで、背伸びしない装備
- 寝ずに帰るデイキャンプ
- ワーケーションや地域体験など、目的別の細分化
僕自身も、家族や仲間とワイワイやる日もあれば、ソロでこっそり出かける日もあります。冬のソロで湯たんぽを持っていったら、夜が別世界になったのは忘れられません。キャンプを「非日常のイベント」ではなく、暮らしの延長にあるリセット時間として捉える——この感覚が、いちばんしっくりきます。
第一次・第二次・2026年、スタイルの比較
| 項目 | 第一次(1990年代) | 第二次(2010後半〜2020) | 2026年現在 |
|---|---|---|---|
| 主役 | 大型オート・ファミリー | ソロ・おしゃれ・グランピング | ソロ・ミニマル・日常 |
| 動機 | 道具を揃える(モノ) | 共有・自分らしさ(コト) | 継続・リセット |
| 情報源 | 雑誌・ガイド | SNS・YouTube・アニメ | 定着した知見 |
成熟したキャンプに、いちばん必要なもの=安全とマナー
自由で気軽なソロが広がったからこそ、逆に大事になってきたのが安全とマナーです。ここは、ちょっと真面目に話させてください。
日本オートキャンプ協会の指導員テキストでは、指導者には「危険予見義務」と「結果回避義務」の両方が課せられ、リスクマネジメント(これから起きるかもしれない危険に、事前に備えること)が安全管理の要だとされています(日本オートキャンプ協会/指導員テキスト2・安全管理論)。ソロや少人数だと、何かあったときに助けを呼びにくい。だからこそ、事前の備えが効いてきます。
ソロで効く、天候と撤収の判断
とくに天候判断は命に関わります。同テキストには、雲の形や風の向きから天気を読む「観天望気」の考え方も出てきます。河原のサイトは、上流で大雨が降ると数十分で増水することがあります。実際、川の増水による水難事故は毎年のように警告されています(安全啓発記事)。空が怪しいと感じたら、粘らずに撤収する。この判断が、ソロでは一段と重くなります。
ソロで意識しておきたいことを、優先度順に並べておきます。
- 出発前に天気と、川の上流の天候まで確認する
- 「危ないと思ったら撤収」の線を、先に自分で決めておく
- 家族や友人に、行き先と帰宅予定を伝えておく
- 簡単な救急用品と、明かりの予備を持つ
- 直火禁止の場では焚き火台を使い、ゴミは必ず持ち帰る
マナーの話も外せません。禁止された場所での直火や、ゴミの放置は、キャンプ場が閉鎖に追い込まれる大きな原因になります。ゴミはスズメバチやクマを引き寄せることもあり、安全面でも危険です。自由に楽しむためのルールは、結局その自由を守るためにある。そう考えると、面倒くささが少し減る気がします。



これから、キャンプ場やギア業界はどうなる?
最後に、供給側の話も少しだけ。ここは診断士の血が騒ぐところです。
ブームが去って、新規のお客さんを取り合う時代は終わりました。データでも、「今後キャンプをやってみたい」という参加希望率は2023年の11.6%から2024年は9.3%へ下がっています(オートキャンプ白書2025)。新規の熱は、たしかに冷めています。
成熟した市場で効くのは、新規獲得よりも「続けてくれる人に、どれだけ深く応えるか」です。実際、キャンプ場側の動きにもそれが出ています。白書2025では、ドッグラン付き施設が前年比プラス4.1ポイント、ペット専用サイトがプラス9.3ポイントと、目的特化の設備投資が進んでいます(オートキャンプ白書2025)。ワーケーション対応や地域体験型など、「誰の、どんな時間に応えるか」で差をつける方向へ、はっきり舵を切っています。
診断士として言うなら、これは市場が成熟したときの王道の戦略です。全員に売ろうとするのをやめて、特定の人へ深く刺す。値上げが進んでも利用が続いているのは、その価値が受け入れられている証拠だと思います。
キャンプブームのよくある質問(Q&A)
Q1. キャンプブームは、もう終わったのですか?
A. 熱狂という意味のブームは落ち着きました。ただ、キャンプ自体は消えていません。参加人口は600万人台へ減った一方、用品市場は2025年度に約5,059億円へ拡大する見込みで、「派手な流行」から「続けるカルチャー」へ移った段階です。
Q2. 人が減っているのに、なぜ用品市場は伸びているのですか?
A. 一度だけ来た層が抜けたぶん頭数は減りましたが、続けている人が濃く楽しんでいるためです。1回あたり平均23,258円、年間平均5.0回と単価も頻度も高水準で、さらにアウトドアアパレルが市場を牽引しています。市場を支える人が「広く浅く」から「狭く深く」へ入れ替わりました。
Q3. 第一次と第二次のブームは、何が違うのですか?
A. 第一次(1990年代)は大型オートとファミリーが主役で、道具を揃える「モノ」中心でした。第二次(2010年代後半〜)はSNSとソロキャンプが牽引し、体験を共有する「コト」中心です。同じキャンプでも、価値の置きどころが移りました。
Q4. いまからキャンプを始めるのは遅いですか?
A. むしろ今が始めやすいです。予約が取りやすくなり、情報も知見も出そろっています。背伸びした装備は要りません。デイキャンプや軽量ソロから、無理のない範囲で始めるのがおすすめです。
Q5. ソロキャンプで、まず気をつけることは何ですか?
A. 天候判断と撤収判断です。出発前に上流の天気まで確認し、「危ないと思ったら撤収」の線を先に決めておきましょう。行き先と帰宅予定を誰かに伝え、救急用品と予備の明かりを持てば、一人でも安心して楽しめます。



まとめ
キャンプブームは、終わったわけではありません。派手な流行が落ち着いて、生活に馴染む趣味へと姿を変えただけです。参加人口は減っても、続ける人は濃く楽しみ、市場はむしろ育っている。数字を追うほど、そう見えてきます。
個人的には、いまの落ち着いた空気がけっこう好きです。予約は取りやすいし、静かなソロも、賑やかな家族キャンプも、どっちも選べる。ブームという波が引いたあとに残ったのは、自分のペースで自然と過ごす時間そのものでした。さて、どんなキャンプを続けていきたいですか。よかったら、コメントやXでこっそり教えてください。
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更新:2026-07-04 時点
出典
- 日本オートキャンプ協会|オートキャンプ白書2025 解説(https://www.autocamp.or.jp/post-21262/)
- 矢野経済研究所|アウトドア用品市場に関する調査(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3923)
- 旅行新聞|オートキャンプ白書2024報道(https://www.ryoko-net.co.jp/?p=136611)
- PR TIMES|オートキャンプ白書2025リリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000022815.html)
- 日本オートキャンプ協会|オートキャンプ指導員テキスト2(安全管理論・観天望気)
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